獣医になるための基礎知識

獣医の大学

 

獣医になるためには大学の獣医学科を卒業しなければなりません。全国の主な大学を紹介しましょう。

 

 

大学は国立、私立がありますが、その数はあまり多くありません。全部で16校程度です。牛や馬の飼育が盛んな土地に獣医学科は多い傾向があり、北海道、東北に5校、関東に5校、関西から西に6校です。

 

 

その中でも北海道大学の獣医学部は伝統ある大学です。札幌農学校の設立がその前身です。札幌農学校には設立当初から、農学関連科目の他に獣医学が置かれていたからです。獣医学の専門教育をカッター博士が始めました。彼が来日したのは明治11年です。パーバード大学医学部を卒業後、その才能を活かして札幌農学校に招かれたのです。

 

 

この年の卒業生には市川厚一博士がいました。市川博士は世界初の人工がんをウサギの耳に作った人です。現代でも北海道大学は日本の獣医学の中でリーダーシップを取り続けています。日本の大学としてだけではなく、世界に通用するレベルの教育を目指しているのです。もちろん、他の大学も獣医学に対する教育に熱心になってきています。

 

 

動物と人間が共存していくためには、その性質を知り、理解することが大切です。そのために獣医は多くの人から頼られる存在になるのです。単に動物の医学的な知識があるだけでは獣医は務まりません。動物に対する深い愛情を持ち、そして、時には冷静な決断をする必要もあります。動物の病気が広がる場合は、強制的に隔離したし処分したりすることが現実です。動物たちを不幸にしないためにも、獣医に期待がかかるのです。