獣医になるための基礎知識

獣医と看護師

 

人間の病院の看護師と同じように、動物病院でも看護師と言われる職業があります。動物看護師、動物衛生看護師です。

 

 

獣医師の指示の下で動物の世話をしたり、獣医師のパートナーとして手術の準備、入院動物の世話、健康管理などを行います。仕事の内容は普通の看護師と同じと考えてよいでしょう。
しかし、医療における看護師との大きな違いは、国家資格ではないと言うことです。また、公的な資格もありませんから、明確な職種として区分されていないのが実態です。動物病院で働く獣医師以外が看護師として働いていると言えるのです。

 

 

動物看護師の資格を与えているのは任意団体です。日本動物看護学会、日本動物衛生看護師協会、日本動物病院福祉協会、日本小動物獣医師会、全日本獣医師協同組合が動物看護師の認定を行っています。それぞれの団体間に関連はなく、与えられる名称も異なっています。

 

 

実はこれらの認定制度はごく最近始まったものです。10年に満たない歴史しかありません。これは動物看護師の社会的地位の向上を目指す声の高まりを受けて始められたからです。獣医師の仕事の補助をしていながら、事務員程度の待遇でしかなかったことが始まりだったのでしょうか。それとも、獣医師の助手をするためには、ある程度の専門知識を持っていなければ勤まらないと考えられるようになったからでしょうか。

 

 

動物たちの手術が一般的になったのは最近のことです。動物看護師の需要が高まっていることが背景にあるのです。